ブログ更新をサボっていたら、すっかり季節は秋になってしまいました。
前回の記事から何か月経ちましたかね…
そろそろと思い出しながら書いてみたいと思います。
まずは「2つのブルターニュ」と題しまして、ほぼ同時期に開催されていたブルターニュをテーマとした美術展。
「情景の地ブルターニュ」モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷
2023年3月18日〜6月11日
ブルターニュは、フランス北西部の大西洋に突き出た半島部分を含む地方。ブルトン語を話し独特の文化を持つこのブルターニュ地方は、フランスの中にある異郷として、19世紀後半から20世紀初頭にかけ、多くの画家の心を捉えました。
ゴーガンの絵でよく見る、コワフと呼ばれる白い頭巾を被った女性たちも、ブルターニュの女性です。
撮影禁止以外の作品は撮影OKでした。
「ポール=ドモワの洞窟」
断崖のゴツゴツとした岩肌と海の深い青さが無数の色の塗り重ねによって表されています。パレット上で絵の具を混ぜないから、こんなにきれいな色が表現できるんですね〜水面がキラキラ光って見えます。
「ブルターニュの農婦たち」
ポール・ゴーガン 1894年 オルセー美術館
道端で立ち話をしている二人の農婦。二人の顔にはゴーガンがよく描くタヒチの女性の顔が投影されているそうです。
言われてみれば・・・( ˙꒳˙ )ナルホド!
確かにタヒチの女性のお顔ですね。
「悲嘆、海の犠牲者」
シャルル・コッテ 1908年〜1909年 国立西洋美術館(松方コレクション)
これ、めちゃめちゃ大きい絵でした〜
美しいブルターニュの海はときどき荒れて、しばしば海難事故が起きました。この絵は、海で命を落とした漁夫を悼んでいるところ。キリストの死を嘆くピエタの構図に似ています。
説明によりますと、画家自身によって数年後にこの絵のレプリカが描かれ、その絵は国に買い取られ、今ではオルセー美術館に収蔵されているそうです。
本家本元オルセー美術館にレプリカがあって、こちらの元絵は日本の国立西洋美術館が所蔵しているとは・・・そんなことって、あるんですねぇ〜
さてさて、二つ目のブルターニュは・・・
「ブルターニュの光と風」画家たちを魅了した〈辺境の地〉
2023年3月25日〜6月11日
SOMPO美術館
SOMPO美術館ね、実は初めて行ったんですよ。このビル、いかにも新宿ってかんじでカッコいいですね!
SOMPO美術館は、ゴッホの「ひまわり」で有名ですよね〜
こちらの美術展も撮影OKでした。
「さらば!」
チラシやポスターに出ていたこの作品
これ、良く見ていなかったので、私はセイレーン(ギリシャ神話に出てくる美しい半人半魚の海の怪物)の絵だと思い込んでたんです。
いやー、よくよく考えれば、そんなわけないのに。この、おじさんの腕に抱かれている人物の背中がすごく美しくて。美しい女性だと思い込んでいたら・・・
これは、嵐に遭遇して転覆した船の中で、海に沈みゆく生き絶えた息子を抱きかかえる父親の姿だそうです。ブルターニュの荒れ狂う海の中で、父親の乗っている船も傾いていて、お父さんだって危ないよ〜
でも、この海の色が怪しいまでに美しい・・・
キャプションに
「この若き漁師の華奢な体つきはその痛ましさを強調し、これが男女の悲劇の場面かと見紛う想像力を、観る者に喚起する。」
と書いてあって、これを女性の背中と間違うのは、どうやら私だけではないらしいということが分かって、なにやら安心しました。
「パンマールの聖母」
リュシアン・レヴィ=デュルメール 1896年 カンペール美術館
なんでしょう。不思議な絵でした。
聖母というから、マリアなんでしょう。そして幼子キリスト。背景は、パンマールの浜辺。黒い衣装の親子。二人の顔がやけにリアルで、じっとこちらを見つめています。なんか、視線を外すことができません。
「ブルターニュの少女」
ピエール・ド・ブレ 1940年 カンペール美術館
「ブルターニュの女性」
ピエール・ド・ブレ 1940年 カンペール美術館
画家自身が名付けた「トレイスム(格子状技法)」で描かれています。トレイスム、初めて見ました。格子状の細かい線で描かれています。なんだか刺繍みたいで面白いですね。
カンペール美術館は、フランスのカンペールにある市庁舎併設の美術館だそうです。
今回の美術展は、知らなかった画家の絵も多くて、それはそれで新鮮で面白いと思いました。
ブルターニュとブルゴーニュって、どっちがどっちか分からなくなるけど(私だけ?)
ブルターニュのことが、少しだけ分かったかもしれません。