メトロポリタン美術館展

メトロポリタン美術館展」西洋絵画の500年

2022年2月9月〜5月30日

国立新美術館

ニューヨークのメトロポリタン美術館から、西洋絵画65点が来日。そのうち46点は日本初公開だそうです。65点って数字を見ると少なく感じるけど、これくらいがちょうどいいボリュームだと思います。途中、展示替えもないし。展示替え、ない方が好き。


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会場は大きく3つの時代に分かれていて、それぞれの展示室の壁の色が違っていたのが印象に残りました。(記憶を頼りに書いているのでもしかして違っていたらごめんなさい)

 

1  信仰とルネサンス聖母マリアのマントの色である青。青は天の真実。聖母マリアは海の星=青。

2  絶対主義と啓蒙主義の時代→劇場型のバロック絵画と、絶対王政をイメージさせる真紅。

その中でもオランダ絵画の部屋は、庶民のイメージ(?)の落ち着いたベージュ。

ロココ絵画の部屋は、ブーシェの絵に出てくるようなロココグリーン(私的には淡いピンクが良かったな)

3  革命と人々の時代→混沌とした時代の象徴(?)グレー。

 

では、「1 信仰とルネサンス」から見ていきましょう〜

フラ・アンジェリコラファエロ、フィリッポ・リッピなどなど、見どころ満載ですが、こちらの作品をご紹介しましょう。

 

カルロ・クリヴェッリ

「聖母子」1480年頃 ★日本初公開

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初期ルネサンスらしい少々硬い表現と、奥行きを感じさせる技巧を凝らした聖母子像です。

左手前側に描かれた蝿にご注目。絵の中にいるのか、それとも絵にしがみついているのか?キリストの足はなぜこんなにちっちゃいのか?そして、マリア様の後ろの桃ときゅうり(?ゴーヤみたいだけど)が妙にでかい。

気になりますね〜

画像は絵画部分のみですが、この絵は豪華な金色の祭壇のような額縁に飾られています。祈りの対象なのでしょう。

 

 

バロックの展示室からは、まずこちら。

 

シモン・ヴーエ

「ギターを弾く女性」1618年頃 ★日本初公開

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カラヴァッチョかと思った〜

左上からの強烈な光。強い光が女性の右肩から胸元の白い肌、衣服、特に袖の部分を浮かび上がらせています。

カラヴァッチョ来そう〜と、思ったら、次の壁にありました。

 

カラヴァッチョ

「音楽家たち」1597年 ★日本初公開

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カラヴァッチョ26歳の頃の作品。最初のパトロン、デル・モンテ枢機卿のために描いた作品だそうです。

一番左の少年はよく見ると背中に羽が生えていて、天使だということが分かります。カラヴァッチョ特有の美少年集団が気だるい雰囲気を漂わせています。右から二人目の少年は、カラヴァッチョの自画像とも言われているそうです。

 

 

次にオランダ絵画の展示室。

 

ハブリエル・メツー

「音楽の集い」1659年 ★日本初公開

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ピーテル・デ・ホーホ

「女主人への支払い」1670年頃

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あ、なんか、来そう。これは来るぞ。来る来る。

来た〜〜〜

 

ヨハネス・フェルメール

「信仰の寓意」1670〜72年頃 ★日本初公開

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フェルメール晩年の作品。胸に手を当てる女性は「信仰」の寓意像。フェルメールは、結婚を機にプロテスタントからカトリックに改宗したとされていて、この絵はカトリックへの信仰を表したものだそうです。

女性が地球儀に足を乗せているのは、カトリック教会による世界の支配を示唆するものだとか。ほかにも描かれている多くのものがキリスト教の意味があるそうです。

晩年のこの作品は「真珠の耳飾りの少女」の頃のフェルメール全盛期のような評価は美術界ではされていないのだとか。

確かにフェルメールにしては少々趣きが違いますけど、これはこれで私は好きです。

 

ロココはちょいと飛ばしまして・・・

もちろんブーシェとかプッサンとか、素晴らしかったですよ〜

 

 

マリー・ドニーズ・ヴィレール
「マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)」 1801年 ★日本初公開

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画家の名前もタイトルも長くて、まったく覚えられません(笑)

女性画家ヴィレールのことは知りませんでした。

マリー・アントワネットお気に入りの女性画家ヴィジェ・ル・ブランの次世代の女性画家だそうです。ル・ブランの絵もこの隣に展示されていました。

こちらの長い名前の女性の絵は、長いことダヴィッドの絵だと思われていたそうです。その後、ダヴィッド作ということが疑問視され、ヴィレールの作品だということが分かったそうです。

軽やかなモスリンのドレス姿の女性。窓から入る逆光に光る髪の毛と、顔の影。こちらを見つめて絵を描いているのでしょうか。窓の外に見えるいちゃついてる男女も気になります。そして、この窓、割れてますよねぇ。うーん。意味ありげ。

 

 

「3 革命と人々の時代」

 

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
ヴェネツィアサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む」 1835年頃

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ターナーの絵って、今まであまり興味がなかったんだけど。でも、この絵、すんばらしかったです!

モネの「印象 日の出」を見たときと同じくらい、惹きつけられました。

オーディオガイドで「水彩画のような透明感がある」って言ってましたが、本当にそのとおり。白い雲の向こうの眩しいほどの青空。湿気を帯びた空気。ゆらゆらと運河に映る船の影。絵全体がキラキラ光っていて、とても綺麗でした。

ターナー、やっぱり凄いのね。

 

ほかにもですね〜

エル・グレコルーベンス、ベラスケス、マネ、モネ、セザンヌゴッホなどなど巨匠の作品がたくさん展示されていまして。書きたいものはたくさんあるのですが、長くなるのでこのへんにしたいと思います。

 

この美術展を見ると、初期ルネサンスからポスト印象派までの西洋美術史500年が概観できます。

 

こちらはメトロポリタン美術館展のチラシ

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これ、すごくいいです。全ての作品が載っています。美術展に行くたびに図録を買うと、本棚が大変なことになるのでなるべく買わないようにしています。あとから「あれ?あの絵って、いつどこで見たんだっけ?」って気になったときに、このチラシを見れば一目瞭然。すぐに分かって便利〜

図録でも、ときどきミニサイズを売ってることがあるんだけど。

あれもいいね( ´ ▽ ` )ノ

いつもミニ図録、販売して欲しいわ〜

よろしくお願いします(^_−)−☆

 

ミニ図録とは

これです〜

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大きさが分かりやすいように、ブレンディ置いてみました(え?分かりにくい?!)