特別展 ポンペイ
2022年1月14日〜4月3日
西暦79年、イタリア・ナポリのヴェスヴィオ火山の噴火により、周辺の都市は厚い火山灰に覆われて消滅してしまいました。
灰に消えた都市ポンペイの遺跡から発掘された多くの品を有するナポリ国立考古学博物館から約150点が来日しています。
事前にオーディオガイドを自分のスマホにダウンロードしておいて、当日はそれを聴きながら見ることができます。あとから家で聴き直すこともできて、便利便利。音だけじゃなくて画像も表示されるので本当に便利。(大切なことなので3回言いました)
こちらの展覧会、場内すべて撮影OKでした。
第一会場を入ると、壁に火山の噴火を表すような赤い線が入っていて、会場全体がなぜか暑い。
この暑さは、火山を体感させるため?それとも、私がただ単に暑がっているだけ?(←たぶんこっち)
62〜79年 フレスコ
噴火前のヴェスヴィオ山の様子が分かる唯一の作例だそうです。山の頂上までぶどうの栽培が行われていたことが分かります。お酒の神バックスがぶどうを身にまとっています。
2016年・森アーツセンターギャラリーの「ポンペイの壁画展」でも、ディオニュソス信仰が盛んだったことが展示されてました。
ワイン作りが重要な産業だったということで、ディオニュソスは大切な神様だったんでしょうね。
そのときの記事です↓
https://harupinruu.hatenablog.com/entry/2016/06/29/174123
「ビキニのウェヌス」
前1世紀〜後1世紀 大理石(彩色、金彩の痕跡あり)
サンダルを脱いで沐浴しようとしているウェヌス。ウェヌスとはヴィーナスのことです。
大理石の体に残る金の彩色がビキニのようなので「ビキニのウェヌス」と呼ばれているのだとか。金の彩色がすべて残っていたら、きっとキラキラもっと美しかったことでしょうね。
「エウマキア像」
1世紀初頭 大理石
ポンペイの毛織物業界の保護者で女性実業家のエウマキアの大理石像。裕福な女性が活躍し市内で力を持っていたことが分かります。
この大理石像、1世紀初頭ですって。日本では弥生時代。卑弥呼から200年ほど前の時代。
ミケランジェロもビックリの完成度の高さです。
衣服のドレープの細かさに注目です。
ポンペイ展の後半は、ポンペイにあった邸宅の一部が再現展示してありました。
中でも、ポンペイで一番大きくて由緒ある邸宅「ファウヌスの家」アトリウムの奥にある中庭の再現展示は見応えがありました。
(画像はお借りしました)
床にはあの有名なアレクサンドロス大王のモザイク画があります。こちらは本物ではなくてレプリカ。
アレクサンドロス大王は、左の画像にいらっしゃいます。
このアレクサンドロス大王の手前の床にあるのは「ナイル川風景」というタイトルのモザイク画。
「ナイル川風景」ファウヌスの家エクセドラの敷居、中央柱間出土 前2世紀末
とても小さな石を使って、川に映る動物や植物の影まで表現していて素晴らしいモザイク画です。
「スフィンクスのテーブル脚」
ペンテリコン大理石 アウグストゥス時代(前27〜後14年頃)
横顔が美しいですね〜
ギリシャ悲劇「オイディプス」に出てくるスフィンクス。頭は美しい女性、体は獅子、そして翼を持った怪物。
正面はこんなかんじ。豪華なテーブルだったんでしょうね。2000年も前にこんな豪華な生活をしていたなんて驚きです。
「キケロ荘の食堂壁画」
ポンペイで初めて発掘された建物のひとつ。饗宴を行なっていた大トリクリニウム(食堂)の壁画を初めて実物大で復元したそうです。
黒地の壁に美しい装飾がされています。それぞれの壁には、ディオニュソスのお祭りで踊るマイナスなどが描かれています。
マイナスは、その可憐な見た目とは異なって、ディオニュソスのお祭りでワインに酔って恍惚状態になり踊り狂って森の中を駆け巡る女性信者。
最後にご紹介するのがこちら。
うー、ワンワンワン!
ポンペイの邸宅には、番犬がいることを知らせるこのようなモザイク画が邸宅の入口の床に描かれていることが多かったそうです。
今でも「猛犬注意」って書いたシールを貼っている家がありますけど、あれと同じですね。
今も2000年前も変わらず「うちには番犬がいるんだからね〜!」って知らせているところが、なんとも面白いですね。
それにしても、アレクサンドロス大王のあのモザイク画が床に描かれていたことを今回初めて知りました!
2000年前にタイムスリップできるポンペイ展、面白かったです〜