東京国立近代美術館創立70周年記念展
「重要文化財の秘密」〜「問題作」が「傑作」になるまで〜
2023年3月17日〜5月14日
東京国立近代美術館開館70周年だそうです。
明治以降に重要文化財に指定された作品のみで構成される美術展。
会期末は混むんだよねぇって思って行ってみたけど、やっぱり混んでました。
撮影NG作品以外は撮影できました。
オーディオガイドは、途中クイズなどもあって楽しいものでした。美術展に行くと、よっぽど急いでいるとき以外は、オーディオガイドを借りるようにしています。
「絵になる最初」竹内栖鳳(たけうちせいほう)
1913年(大正2年) 重文指定2016年(平成28年) 京都市美術館
天女の絵を描くため若いモデルを呼び寄せたところ・・・着物を脱ぐのを恥ずかしがり、ためらっているところ、だそうです。天女の絵の副産物として生まれたというこの作品。
床に落ちている帯、一度脱いだと思われる着物で体を隠し恥じらう表情を見せる若いモデル。手の形が、なんとも色っぽい。
よく見ると、背景の障子の上下部分の模様が浮き出て見えて、とっても美しいところにも注目です。
「黄瀬川陣」安田靱彦(やすだゆきひこ)
1940年/1941年(昭和15年/16年) 重文指定2011年(平成23年) 東京国立近代美術館
六曲一双の屏風。右隻には黄瀬川に陣を張った源頼朝。左隻には、奥州から駆けつけた弟の源義経。兄弟の対面の場面です。
兜や鎧、着物など、鮮やかな色で細かく描かれています。頼朝と義経のその後の運命を思いながら見ると、なんとも悲しい気持ちになりますが・・・とても美しい屏風です。
絵画だけではなく、彫刻や工芸も展示されてました。
「褐釉蟹貼付台付鉢(かつゆうかにはりつけだいつきばち)初代宮川香山(しょだいみやがわこうざん)
1881年(明治14年) 重文指定2002年(平成14年) 東京国立博物館
なんかよく分からないけど、すごいです。器に張り付いたリアルな蟹。明治期の超絶技巧の代表作と言えます。
「黄釉銹絵梅樹図大瓶(おうゆうさびえばいじゅずたいへい)」初代宮川香山(しょだいみやがわこうざん)
1892年(明治25年) 重文指定2004年(平成16年) 東京国立近代美術館
先ほどの蟹付き鉢と同じ初代宮川香山の作品。同じ作者の品とは思えない、静かな花瓶で驚きます。1881年以降、香山はゴテゴテした陶器の制作をやめて、釉薬を研究し磁器の制作をするようになったそうです。
この並んで展示されていた二つの作品を見ていると、縄文土器と弥生土器みたいで面白いな〜なんて思いました。
この他にも、高橋由一の「鮭」、黒田清輝の「湖畔」、青木繁の「わだつみのいろこの宮」などなど、見たことのある作品もたくさん展示されていたのですが、まーーー混んでいて、ゆっくり見ることが出来なかったのが残念。
どの作品も、常設展などで展示されてる時はゆっくり見ることができるんだけどね。残念。
混んでる会場を出て、常設展へ。
特別展から流れて来た人が多いので、やっぱり少々混んでいたけど、特別展よりもマシです。
「星をみる女性」太田聴雨(おおたちょうう)
1936年(昭和11年)
国立科学博物館にあったという望遠鏡だそうです。女性の着物の柄が春夏秋冬を表しています。星の運行と季節の移り変わり。悠久的なものを表しているそうです。切手にもなった綺麗な絵。
暗い背景にぼんやりと浮かび上がる曲線が、月を思わせて幻想的です。
掛け軸仕立て。
はらりはらりと降る雪の中で傘をさす女性。松園は美人画で知られる女性画家です。
乳白色の画家、藤田嗣治。好きだわぁ〜
解説によると、この5人の女性、左から触覚、聴覚、視覚、味覚、嗅覚、を表しているとも言われているそうです。
藤田の作品には猫がよく登場しますが、ここでもベッドの上から画面のこちらをジーッと見つめる猫がいます。ジーッと、目が合います〜
常設展は、まだまだ続きますが、足が痛くなってきたので、このへんで退散といたしましょう。
今度、常設展のみ見に行くのもいいかもね。