2018年美術展を振り返る PART3

PART3です(^^)/

 

没後50年藤田嗣治展」

2018年7月31日~10月8日

東京都美術館

f:id:harupinruu:20190101235855j:image

藤田嗣治レオナール・フジタ

藤田嗣治が亡くなって50年。日本人として生まれ、フランス人として死んでいった。

乳白色の裸婦でエコール・ド・パリで一躍人気の画家になり

太平洋戦争中は「アッツ島玉砕」などの戦争画を描き

戦争画を描いて戦意高揚を煽ったとして戦犯の疑いをかけられ

アメリカを経由してパリへ戻り

キリスト教へ改宗して、レオナール・フジタと名乗ります。

尊敬するルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチからレオナールと名付けたとのことです。

「聖母子」や「礼拝」という晩年のキリスト教作品を見ながら、フランスでの生活は心穏やかであったのかなぁ・・・と、フジタの波乱に満ちた人生を思いました。

 

 

 

特別展 京都大報恩寺

「快慶・定慶のみほとけ」

2018年10月2日~12月9日

東京国立博物館

f:id:harupinruu:20190102000107j:image

京都の大報恩寺は、通称「千本釈迦堂」と呼ばれ、1220年に作られました。

数年前に京都に行ったとき、訪れたことがあります。意外に穴場のようで、あまり人もいなく、ゆっくりと拝観できたことを覚えています。

その大報恩寺から、重要文化財六観音と釈迦如来坐像、釈迦の弟子の十大弟子立像が揃って公開。

十大弟子の中では一番のイケメンだという、多聞第一(お釈迦様の話を一番たくさん聞いたということ)の阿難陀(アナンダ)さん。

たしかに整ったお顔で、一番美しかったです(#^.^#)

六観音の中では、如意輪観音菩薩坐像が、立膝で座った像でとっても美しいお姿でした。

このお部屋で撮影がOKだったのが、聖観音菩薩像

展覧会前半は光背を付けたままの展示

そして、後半は光背を外して展示

普段はなかなか見ることのできないお姿でした。

f:id:harupinruu:20190102000234j:image

美しいですね
f:id:harupinruu:20190102000239j:image

 

 

東京国立博物館フィラデルフィア美術館交流企画特別展

マルセル・デュシャンと日本美術」

2018年10月2日~12月9日

東京国立博物館

「快慶・定慶のみほとけ」の隣の展示室で開催されていたのがデュシャン展。

木製スツールに自転車の車輪をくっつけた「自転車の車輪」

男性用小便器にサインを書いた「泉」

などの作品を美術展に展示して、20世紀の美術界に革命を起こしました。

これらの作品は「レディメイド」と呼ばれるもので、いわゆる既製品を芸術作品にしたものです。

私の苦手とする現代美術。どんなものなのかと思って覗いてみました。

デュシャンも初期のうちは、普通の油彩画を描いていたんですね。

芸術とは思えないものを芸術にする。考えると分からなくなってきます。分からないということが分かったかも。分からないのが正解なのかも。もっと勉強します。

 

 

ルーベンス展」-バロックの誕生

2018年10月16日~2019年1月20日

国立西洋美術館

f:id:harupinruu:20190102221738j:image

ドラマティックな画面構成で、バロックを代表する画家ルーベンス。大規模な工房を構えて17世紀のヨーロッパで活躍しました。

フランダースの犬」のネロが憧れたのがルーベンス

これがネロの見たかったルーベンスの「キリスト降架」アントウェルペン大聖堂の祭壇画です。

 

《参考》今回の展覧会には出展されていません

f:id:harupinruu:20190102222257j:image

劇場型の激しい構図。

薄暗い大聖堂の中で下からこの絵を見上げたら、キリスト教徒ではなくても厳かな気持ちになるでしょう。これがバロックの世界。

 

 

フェルメール展」

2018年10月5日~2019年2月3日

上野の森美術館

f:id:harupinruu:20190102223505j:image

フェルメール作品とされているのは世界に35点しかなく、そのうち9点がこの展覧会で展示されるというので、「9/35」と看板に書かれています。
奇跡のような展覧会。

今回見ることが出来たフェルメール作品はこちらの8点

f:id:harupinruu:20190103093120j:image

左上の「赤い帽子の娘」が2018年12月20日までの公開。2019年1月9日からは「取り持ち女」が公開されます。

 

右上の「手紙を書く婦人と召使い」

中央の大きな画像「手紙を書く女」

右下の「真珠の首飾りの女」

この3点は、2012年にも来日して、見たことがあります。

 

そのときの記事↓

http://harupinruu.hatenablog.com/entry/20120917

2012年のBunkamuraザ・ミュージアム国立西洋美術館でのこの展覧会は、今回のような大混雑ではなくて、もっとゆっくりフェルメールの絵を見ることができました。

美術愛好家が増えてきてるんでしょうか〜?

 

 

ムンク展」ー共鳴する魂の叫び

2018年10月27日~2019年1月20日

東京都美術館

f:id:harupinruu:20190103100222j:image

2018年ラストを飾るのは、ムンクさん。

某クレジットカードの懸賞に当選して、夜間の閉館時間の貸切鑑賞会にてゆっくり見ることができました。

仕事帰りに親分1を強制連行(笑)

ムンク「叫び」が有名ですが、「叫び」にもいくつかのバージョンがあるんですね。今回はムンク美術館所蔵のテンペラ・油彩画の「叫び」が初来日だそうです。

「叫び」ももちろんすごかったけど、今回一番気になったのが「接吻」のシリーズ。


f:id:harupinruu:20190103103415j:image

f:id:harupinruu:20190103103419j:image

f:id:harupinruu:20190103103412j:image

左から

「接吻」1895年

「接吻Ⅱ」1897年

「接吻Ⅳ」1902年

抱き合う二人の姿が一つになり、その境い目さえ分からなくなっていきます。このシリーズを見たときに頭に浮かんだのが、クリムトの「接吻」。

ムンクの「接吻」とクリムトの「接吻」が似ていると思いました。

 

《参考》クリムト「接吻」1907年〜1908年

f:id:harupinruu:20190103104345j:image

二人の姿が溶け合って、一つの形になる。これは、男女の愛と性、そしてその先にある死をも暗示しているのではないでしょうか。

クリムトムンクの「接吻」を見たかどうかは分かりませんが、男女の性愛を描くと、このような同じ表現に行き着くのかもしれません。

この「接吻」や「マドンナ」のシリーズ、ムンクは常に生と死を意識していたのだと思います。

 

撮影コーナーで写真を撮ってもらいました〜

f:id:harupinruu:20190103105948j:image

お土産は、カラムーチョとスッパムーチョ


f:id:harupinruu:20190103110710j:image

f:id:harupinruu:20190103110648j:image

ヒーヒーおばあちゃんが「叫び」になっています。

親分1は、これを額縁に入れて部屋に飾るらしいです(笑)

 

もっと短くまとめるつもりだったのに

思いのほか長くなってしまいました(^_^;)

 

いろいろな美術展を楽しめた2018年でした。

2019年も張り切っていくぞ〜٩(ˊᗜˋ*)وィェーィ♬*゜