「広重ビビッド 原安三郎コレクション」
2016年4月29日~6月12日
六本木ヒルズから、てくてくてくてく歩いて、六本木・東京ミッドタウンへ。
サントリー美術館へやって来ました。
日本財界の重鎮として活躍した日本化学工業株式会社元会長・原安三郎の蒐集した浮世絵コレクションだそうです。
入口を入って最初に展示されていたのが
「六十余州名所図会 阿波 鳴門の風波」
え~!!
なにこれ?
すごくきれい~
と、いきなり驚きました。
これがプルシアンブルー、ベロ藍の青さ。
藍色のグラデーションが本当にきれい。
プルシアンブルーは、伊藤若冲が「動植綵絵・群魚図」の中のルリハタに使用したのが日本で最初だといわれています。
「動植綵絵・群魚図」は、先日人混みにもまれながら見ました。濃い藍色でした。
【本コレクションのものは、貴重な「初摺」のなかでもとくに早い時期のもので、国内にも数セットしか存在しません。初摺の行程では、広重と摺師が一体となって色彩や摺りを検討しながら進めており、広重の意志が隅々まで込められています。つまり本展では、広重が表現しようとした形や、生涯を通じて追い求めた色彩および摺りの技法の粋を見ることができます。】・・・チラシより抜粋
浮世絵というのは、何度も摺りを重ねることによって、板がすり減ったりして本来の色彩が出せなくなるということで、初期のもの(特に初摺)は本当に貴重だそうです。
それが一番分かるのが、今回展示されていた「六十余州名所図会 江戸 浅草市」です。初摺と後摺の作品が並べて展示されていたのですが、明らかに後摺のものは色の鮮やかさもないし、細かいところが表現されていませんでした。
こんなにたくさんの浮世絵を目にすることがなかったので、ヨーロッパの印象派たちにも影響を与えた浮世絵って、やっぱりすごかったんだなぁと、改めて実感しました。
ゴッホも模写したことで知られる「名所江戸百景 亀戸梅屋鋪」
「名所江戸百景 深川萬年橋」
すごく大胆な構図ですよね。
桶に吊るされた亀。
ここは橋の上です。遠くには富士山が見えます。
江戸では「放生会」(ほうじょうえ)という行事が行われていたそうです。生き物を自然に放すことで、功徳を積むという仏教の行事だとか。
その放生会のために、生き物を売る人がいたそうです。
川に放すために売られている亀。
この亀は売れたら川に放されて、そしてまた捕まえられて売られる・・・
そんなことも行われていたようです。
なんとも、亀にとっては大迷惑な話ですね。
浮世絵なので、一枚一枚が小さな絵です。
覗き込むようなガラスケースでの展示なので、混んでいるときには見るのに時間がかかります。
もう少しすいているときに、ゆっくり見れたらな~
そこだけが残念。
でも、浮世絵ってすごいんだなぁ・・・って、日本人として誇らしく思いました。