もうすぐ入院
心臓の再手術のために、もうすぐ入院となります。
入院前に行きたいところもあったけど、風邪を引いてしまって、なかなか思うようにもいかず・・・
やーねー
入院前に風邪引くなんて。゚(゚∩´﹏`∩゚)゚。
また1か月ぐらい入院かなぁ
そこで、何年も保留にしていた、美術検定1級にチャレンジしてみようと思いまして。
参考図書も揃えました。
全部で4冊、Amazonさんから届けてもらいました。
試験は11月の上旬です。
この検定試験、美術出版社が主催しています。
で、もちろん参考図書類も美術出版社から出版されてます。
数年前に発行されたものの、改訂版です。
「今年の参考図書」って言われちゃうと、やっぱり検定受けようと思っている身の上としては、購入しなくっちゃって思いますよね〜
でも、やっぱり改訂版だからね〜
前に発行された、すでに持っているものと、内容は大差ないんですよヽ(>o<)ノ
なんだか愚痴っぽくなってきましたが。
美術検定受ける人が、みんなこの本を買ってるとしたら・・・
まあ、いい商売ですね。
検定料もいいお値段だし。
じゃあ、受けるの止めればいいじゃん
って、こともありますが。
いつまでも1級受験から逃げてんじゃないっ!!
と、自分へのチャレンジということで
(だって、1級難しすぎるんだもん)
退屈な入院生活、美術検定のお勉強に精を出したいと思います。
ICUに本持って行けるのかな〜?!
(ICUでそんなの読む元気あるのか?! )
それにしても、本を売るために美術検定を開催するって・・・
どこかで聞いたことが・・・
電車の乗客を増やすために、歌劇を上演し始めたという、阪急電鉄の小林一三先生を思い出しました。
商売上手でんな。
広重ビビッド
「広重ビビッド 原安三郎コレクション」
2016年4月29日~6月12日
六本木ヒルズから、てくてくてくてく歩いて、六本木・東京ミッドタウンへ。
サントリー美術館へやって来ました。
日本財界の重鎮として活躍した日本化学工業株式会社元会長・原安三郎の蒐集した浮世絵コレクションだそうです。
入口を入って最初に展示されていたのが
「六十余州名所図会 阿波 鳴門の風波」
え~!!
なにこれ?
すごくきれい~
と、いきなり驚きました。
これがプルシアンブルー、ベロ藍の青さ。
藍色のグラデーションが本当にきれい。
プルシアンブルーは、伊藤若冲が「動植綵絵・群魚図」の中のルリハタに使用したのが日本で最初だといわれています。
「動植綵絵・群魚図」は、先日人混みにもまれながら見ました。濃い藍色でした。
【本コレクションのものは、貴重な「初摺」のなかでもとくに早い時期のもので、国内にも数セットしか存在しません。初摺の行程では、広重と摺師が一体となって色彩や摺りを検討しながら進めており、広重の意志が隅々まで込められています。つまり本展では、広重が表現しようとした形や、生涯を通じて追い求めた色彩および摺りの技法の粋を見ることができます。】・・・チラシより抜粋
浮世絵というのは、何度も摺りを重ねることによって、板がすり減ったりして本来の色彩が出せなくなるということで、初期のもの(特に初摺)は本当に貴重だそうです。
それが一番分かるのが、今回展示されていた「六十余州名所図会 江戸 浅草市」です。初摺と後摺の作品が並べて展示されていたのですが、明らかに後摺のものは色の鮮やかさもないし、細かいところが表現されていませんでした。
こんなにたくさんの浮世絵を目にすることがなかったので、ヨーロッパの印象派たちにも影響を与えた浮世絵って、やっぱりすごかったんだなぁと、改めて実感しました。
ゴッホも模写したことで知られる「名所江戸百景 亀戸梅屋鋪」
「名所江戸百景 深川萬年橋」
すごく大胆な構図ですよね。
桶に吊るされた亀。
ここは橋の上です。遠くには富士山が見えます。
江戸では「放生会」(ほうじょうえ)という行事が行われていたそうです。生き物を自然に放すことで、功徳を積むという仏教の行事だとか。
その放生会のために、生き物を売る人がいたそうです。
川に放すために売られている亀。
この亀は売れたら川に放されて、そしてまた捕まえられて売られる・・・
そんなことも行われていたようです。
なんとも、亀にとっては大迷惑な話ですね。
浮世絵なので、一枚一枚が小さな絵です。
覗き込むようなガラスケースでの展示なので、混んでいるときには見るのに時間がかかります。
もう少しすいているときに、ゆっくり見れたらな~
そこだけが残念。
でも、浮世絵ってすごいんだなぁ・・・って、日本人として誇らしく思いました。
ポンペイの壁画展
「日伊国交樹立150周年記念 世界遺産 ポンペイの壁画展」
2016年4月29日~7月3日
森アーツセンターギャラリー
午前10時のオープンに合わせて、六本木に到着。
森美術館入り口のエレベーター乗り場には、結構な列ができてました。
エレベーター入口横のらせん状の階段を下に降りるように促されて、階段を下りて行き、列の一番後ろに並んだ私。
その列は、階段を上ってチケット売り場まで続いている様子・・・
エレベーターには乗れずに、チケット売り場まで階段を上らなければいけないみたい・・・階段上るのつらいんだけどなぁ。でも、列はゆっくり進んでいるから、まーしょうがないかなぁ(=_=)
なんて思っていたら
どうも子ども連れが多いことに気が付きました。
え?こんなに子どもって、ポンペイに興味があるの??
近づいてきた係員のお姉さんに聞いてみた
「これって何の列ですか?」
「セーラームーン展です」
「え?ポンペイ展は?」
「ポンペイ展の方は、チケット売り場に進んでください」
マジか~
どうりでおかしいと思ったよ~
知らずに並んじゃったじゃないか~
そしてめでたくエレベーターに乗って、チケット売り場に行けたのでした(笑)
それにしても「セーラームーン展」は混んでましたね~
「ポンペイ展」はすいてました~
約2000年前の西暦79年、イタリアのポンペイに栄えていた文明は、ヴェスヴィオ火山の噴火によって地中深くに封印されてしまいました。
18世紀になって、ポンペイからは数々の遺跡が発見されました。
そんなポンペイ遺跡から壁画に焦点を絞って、古代ローマ人の美意識を追体験できる展覧会です。
壁画ですからね、よくこんなものを運べるなぁっていうのが第一印象。
しかも、保存状態がいいんです。
「カルミアーノ農園別荘」という建物の一室が立体展示されていて、2000年前にタイムスリップしたような感覚でした。
当時はディオニソス信仰が盛んだったようで、ディオニソスが出てくる壁画がいくつもありました。
ディオニソスとは、ギリシャ神話の酒と豊穣の神。ローマ神話のバッカスと同一の神です。バッカスと言えば、ワインを手にしてほろ酔い加減のカラヴァッジョの絵などが思い出されます。
かなり昔の宝塚の舞台に「霧深きエルベのほとり」というのがありました。
こちらの舞台はドイツ。
物語の始めにビア祭りのシーンがあって、大勢の人がビールを飲みながら楽しく歌っていました。
そのときの歌詞に
♪バッカスも笑うよ 笑う~♪
っていうのがあって
バッカスっていうのは楽しい神さまなんだ・・・って、頭にインプットされていたのですが、実は結構恐ろしい神さまのようです。
今回のお土産
「踊るマイナス」のポストカード
マイナスは、ディオニソスの信奉者。
ディオニソスの秘儀は、お酒を飲んで、酩酊した人たちが狂乱するお祭りみたいなものだそうです。
女性信者が、夜中にタンバリンや太鼓の音に合わせて狂ったように森の中を駆け巡ったとか・・・
ちょっと怖いですが・・・(|| ゚Д゚)
でも、このマイナスは、妖精みたいで気に入りました(゜▽゜)
2000年前の壁画がこんなに綺麗に残っているなんて、すごいですね〜
ちょっと休憩して、サントリー美術館に移動しまーす。
「広重ビビッド」に続く(*^^)v
黒田清輝
「生誕150年 黒田清輝 日本近代絵画の巨匠」
2016年3月23日~5月15日
黒田清輝は、1884年(明治17年)18歳のときに法律を学ぶためフランスに渡りました。
そこでなぜかフランス絵画に刺激を受けて、ラファエル・コランに絵を学び、サロンに入選するまでなって27歳で帰国。
その後、東京美術学校教授となり、日本の西洋画の近代化に貢献しました。
右の絵が25歳の時にフランス芸術家協会主催のサロンで見事入選を果たしたデビュー作だそうです。
「読書」1891年
読書をする女性に、後ろからやわらかな光が降り注いで、とってもきれいな絵でした。
それにしても、法律家を目指していたのに画家で成功を収めるなんて、きっともともと才能があったんでしょうね。
「読書」と同じ、マリア・ビョーをモデルにした
「婦人像(厨房)」1892年
これは、入選しなかったみたいですね。
今回、一番気に入った作品がこれです。
超有名で重要文化財指定されています。
「湖畔」1897年
箱根の芦ノ湖の湖畔で、団扇を片手に遠くを見つめる女性。
全体的に淡いブルーで、夏の日に湖を渡る涼しい風を感じられるような作品でした。
モデルはのちに黒田の妻となる照子夫人。
モチーフは日本画、手法は洋画、という日本画の洋画というものを黒田は確立したようです。
今回のオーディーオガイドは、なぜか綾小路きみまろさん。
黒田と同じ鹿児島県出身だそうです。
きみまろ節の解説が楽しかったです。
でも、どうせだったらこの際もっとハチャメチャでな解説でも良かったのにな~なんて思いました。
さきたま古墳群
「若冲展」と「ルノワール展」
生誕300周年記念
「若冲展」
2016年4月22日~5月24日 東京都美術館
いったいどうしたんでしょうね?
伊藤若冲の人気がうなぎ上りで、東京都美術館は連日大盛況を通り越して、毎日普通に200分待ち以上だとか・・・
Twitterで混み具合をチェックして震えておりました(>_<)
しかも、ゴールデンウィークの方がまだ待ち時間が少なかったという事実!
2015年にサントリー美術館で開催された「若冲と蕪村展」のときは、これほどじゃなかったのに・・・
そのときの記事です〜
http://harupinruu.hatenablog.com/entry/2015/12/31/221026
最初は行くのをあきらめてたけど、意を決して行って来ました。
噂どおり、上野駅から東京都美術館目指して、ぞくぞくと人が集まってきます。
朝8時半頃着いたときには、すでにものすごい列ができてました。
係員の人に聞いたところ、身体障害者手帳等を持っている人は、先頭集団が入場してある程度の時間が経ったところで優先的に入場させていただけるとのこと。長時間並ばなくて済むなんてありがたい。感謝いたします。ありがとう_(._.)_
中に入れても、ものすごい人です。
事前に調べていた通り、入ってすぐにエレベーターに乗り、ひとつ上の階の1階へ直行します。先に1階を見てしまったほうがいいって。
今回の一番の目玉、「釈迦三尊像」と30幅の「動植綵絵」です。
中央に「釈迦三尊像」
それをぐるっと囲んで30幅の「動植綵絵」
若冲が40代の約10年間を費やして完成させたもので、相国寺に寄進されました。
この「動植綵絵」は、放送大学の「日本美術史」を勉強したときにも、強烈な印象を与えてくれたものなので、今回実物を見ることができて感動しました。
若冲は、絵の具を塗り重ねるのではなく、平面で塗り分けているそうです。つまり、最初から冷静に画面をデザインしているのだそう。
放送大学のテキストに「イメージの中で自然を過剰に回復するような」とあった解説を思いだし、まったくその通りだな~と思いました。
とにかく細かい。小さなところにも手を抜かない。鳥の羽ひとつひとつ、これでもかというほど細密な描き方です。
画面の隅から隅までピントがあっている、隙のない、びっしりとした、もう、何と言って形容したらいいのか分からない・・・圧倒的な迫力です。
生きとし生けるもの。
鳥も魚も虫も植物も
すべて、極楽浄土へ行けるのだ・・・と言っているようです。
いえ、すでにこの世が極楽浄土なのかも。
鳥の羽、鶏のトサカ、魚の鱗、葉っぱの葉脈
自然のものはなにもかも美しい。
神が作ったのかどうか分かりませんが、自然の動植物は美しいですよね。
芸術とは、自然の模倣である。これを「ミーメーシス」と言うそうですが、それが実感できます。
慌てて購入しておいた単眼鏡が役に立ちました(^_^)/
「動植綵絵」のうち「老松白鳳図」
若冲熱気でへろへろになりながらも、六本木へ・・・
どうしてももう1か所行っておきたい・・・
「ルノワール展」
2016年4月27日~8月22日 国立新美術館
ルノワールの名品が多数来日。
印象派の画家ルノワールの絵は、明るい色づかいの暖かいものがほとんどです。
頭の中が「若冲ワールド」になっていたので、真逆のルノワールの絵が新鮮でした。
若冲の絵が画面のすべてにピントが合った被写界深度が深い絵なら、ルノワールの絵は被写界深度の浅い絵です。
「陽光のなかの裸婦」
発表された当時は「腐った肉の絵」と酷評されたそうです。
当時の絵画に描かれていた女性の肌といえば、真っ白で輝いているものが普通だったので、この絵はすぐには受け入れられなかったんでしょうね。
女性の肌に落ちる木漏れ日が美しいです。
「ぶらんこ」
「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」
楽しい音楽や、にぎやかな笑い声が聞こえてきそうです。
当時のファッションも楽しめます。
やはり、木漏れ日が美しいですね。
「田舎のダンス」
日本風の扇を持って幸せそうに踊る女性は、のちにルノワールの妻になるアリーヌ。
「都会のダンス」
美貌のヴァラドンは、いろいろな画家のモデルを務め、恋多き女と言われていたそうです。
なにやらありそうですが、この対になる絵はとってもきれいでした。
みんな「若冲展」に行っているのか?
「ルノワール展」はまだそんなに混んでなかったので、ゆっくり見ることができました。きっとこのあと混んでくるだろうと思います。
今回の教訓!
人気の出そうな美術展は、初日か開始直後に行こう!!です。