生誕300周年記念
「若冲展」
2016年4月22日~5月24日 東京都美術館
いったいどうしたんでしょうね?
伊藤若冲の人気がうなぎ上りで、東京都美術館は連日大盛況を通り越して、毎日普通に200分待ち以上だとか・・・
Twitterで混み具合をチェックして震えておりました(>_<)
しかも、ゴールデンウィークの方がまだ待ち時間が少なかったという事実!
2015年にサントリー美術館で開催された「若冲と蕪村展」のときは、これほどじゃなかったのに・・・
そのときの記事です〜
http://harupinruu.hatenablog.com/entry/2015/12/31/221026
最初は行くのをあきらめてたけど、意を決して行って来ました。
噂どおり、上野駅から東京都美術館目指して、ぞくぞくと人が集まってきます。
朝8時半頃着いたときには、すでにものすごい列ができてました。
係員の人に聞いたところ、身体障害者手帳等を持っている人は、先頭集団が入場してある程度の時間が経ったところで優先的に入場させていただけるとのこと。長時間並ばなくて済むなんてありがたい。感謝いたします。ありがとう_(._.)_
中に入れても、ものすごい人です。
事前に調べていた通り、入ってすぐにエレベーターに乗り、ひとつ上の階の1階へ直行します。先に1階を見てしまったほうがいいって。
今回の一番の目玉、「釈迦三尊像」と30幅の「動植綵絵」です。
中央に「釈迦三尊像」
それをぐるっと囲んで30幅の「動植綵絵」
若冲が40代の約10年間を費やして完成させたもので、相国寺に寄進されました。
この「動植綵絵」は、放送大学の「日本美術史」を勉強したときにも、強烈な印象を与えてくれたものなので、今回実物を見ることができて感動しました。
若冲は、絵の具を塗り重ねるのではなく、平面で塗り分けているそうです。つまり、最初から冷静に画面をデザインしているのだそう。
放送大学のテキストに「イメージの中で自然を過剰に回復するような」とあった解説を思いだし、まったくその通りだな~と思いました。
とにかく細かい。小さなところにも手を抜かない。鳥の羽ひとつひとつ、これでもかというほど細密な描き方です。
画面の隅から隅までピントがあっている、隙のない、びっしりとした、もう、何と言って形容したらいいのか分からない・・・圧倒的な迫力です。
生きとし生けるもの。
鳥も魚も虫も植物も
すべて、極楽浄土へ行けるのだ・・・と言っているようです。
いえ、すでにこの世が極楽浄土なのかも。
鳥の羽、鶏のトサカ、魚の鱗、葉っぱの葉脈
自然のものはなにもかも美しい。
神が作ったのかどうか分かりませんが、自然の動植物は美しいですよね。
芸術とは、自然の模倣である。これを「ミーメーシス」と言うそうですが、それが実感できます。
慌てて購入しておいた単眼鏡が役に立ちました(^_^)/
「動植綵絵」のうち「老松白鳳図」
若冲熱気でへろへろになりながらも、六本木へ・・・
どうしてももう1か所行っておきたい・・・
「ルノワール展」
2016年4月27日~8月22日 国立新美術館
ルノワールの名品が多数来日。
印象派の画家ルノワールの絵は、明るい色づかいの暖かいものがほとんどです。
頭の中が「若冲ワールド」になっていたので、真逆のルノワールの絵が新鮮でした。
若冲の絵が画面のすべてにピントが合った被写界深度が深い絵なら、ルノワールの絵は被写界深度の浅い絵です。
「陽光のなかの裸婦」
発表された当時は「腐った肉の絵」と酷評されたそうです。
当時の絵画に描かれていた女性の肌といえば、真っ白で輝いているものが普通だったので、この絵はすぐには受け入れられなかったんでしょうね。
女性の肌に落ちる木漏れ日が美しいです。
「ぶらんこ」
「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」
楽しい音楽や、にぎやかな笑い声が聞こえてきそうです。
当時のファッションも楽しめます。
やはり、木漏れ日が美しいですね。
「田舎のダンス」
日本風の扇を持って幸せそうに踊る女性は、のちにルノワールの妻になるアリーヌ。
「都会のダンス」
美貌のヴァラドンは、いろいろな画家のモデルを務め、恋多き女と言われていたそうです。
なにやらありそうですが、この対になる絵はとってもきれいでした。
みんな「若冲展」に行っているのか?
「ルノワール展」はまだそんなに混んでなかったので、ゆっくり見ることができました。きっとこのあと混んでくるだろうと思います。
今回の教訓!
人気の出そうな美術展は、初日か開始直後に行こう!!です。