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貴婦人と一角獣展

国立新美術館へ「貴婦人と一角獣展」を見に行って来ました。
フランス国立クリュニー中世美術館所蔵の6面のタピスリー(タペストリー)で、1500年頃に制作されたものです。フランス国外に貸し出されたのは過去にただ一度だけ、1974年のアメリカ・メトロポリタン美術館だったそうです。つまり、海外での展示は今回で2回目です。すごい!!
6面すべてをひとつの展示室で見ることができます。たて4メートル近くの大きなものです。
それぞれは人間の五感を表しています。

≪触覚≫貴婦人が一角獣の角を触っています

≪味覚≫貴婦人がオウムに砂糖菓子を与えています

≪嗅覚≫貴婦人が花の冠を編んでいます

≪聴覚≫貴婦人がオルガンを演奏しています

≪視覚≫貴婦人が持つ手鏡に一角獣の姿を映しています

そして6枚目が
≪我が唯一の望み≫

この6枚目の解釈は諸説があり、謎に包まれているそうです。

私個人の感想・・・
1枚目の≪触覚≫
一角獣の大きさが他のものに比べて小さく幼い感じ。
しっぽも下にさがっていて、従順な印象。
触覚とはまだ未熟な感覚なのか・・・?
貴婦人が立っている緑の島も小さいので、幼さ・若さを感じる。
5枚目の≪視覚≫
貴婦人の容貌が他のものに比べて明らかに劣っている。
年齢を重ねているようにも見えることから、美しく目に映っていても(視覚)それは幻想。
やがて容貌は衰える・・・
鏡に映る姿も幻想。
1枚目から順に年月が経っているのか・・・?
そして≪我が唯一の望み≫
テントの中に立つ貴婦人は、何かに庇護されているたとえ?
例えば、神の庇護の元に入り、信仰に生きることが唯一の望みなのか。
宝石は箱にしまって、世俗的な生活を絶つということか。
または、その真逆。
誰かと結婚し、その人物の庇護の元に入るという。
宝石は箱にしまっているのではなく、結婚相手の富を手にするということか。
手前の台に乗っているのが、野生の犬ではなく愛玩犬であることも世俗的なイメージを与える。
財産のある相手と結婚し、安定した生活をすることが唯一の望みなのか。

考えれば考えるほどに分からなくなります。
謎は謎のまま、置いておくとして。
全体的に赤い色の印象が強くて、遠くから眺めても近くから見てもため息ものです。
特に貴婦人の着ているドレスの生地の質感や陰影、宝石の輝き。
さらにたくさん描かれている動物や植物。
これが織物だとは驚嘆します。
まさに「フランスの至宝」ですね。