コロナに始まりコロナに終わった2020年
年が明けた2021年も収束の気配が見えず、この生活がいつまで続くものかと、先が見えないことに新年早々不安を感じています。
2020年は、一度もブログをアップせずσ(^_^;)
春頃には未知のウィルスに恐怖を感じて、危うくコロナ鬱になりそうになりましたが、気を取り直して、なるべく気にしないようにして生活してきました。
楽しみにしていた美術展も次々に中止になりました。
東京国立博物館で予定されていた「出雲と大和」は、見に行こうと思っていたら途中で閉幕し、「法隆寺金堂壁画と百済観音」は全面中止。
それからはどの美術展も開催されない日々が続きました。
夏ごろからは、日時予約制を導入して美術展も少しずつ開催されるようになりました。
ブログアップをサボっていたので、見に行った美術展を思い出しつつ2020年を振り返りたいと思います。
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」
2020年6月18日〜10月18日
(当初予定されていた会期 3月6日〜6月14日)
やっと美術展が再開されました。日時指定の予約制です。そのわりには混んでた印象ですけど。
ロンドンにあるナショナルギャラリーから61点が来日。しかも全作品が初来日だそうです。
たくさん素晴らしい作品がありましたが、やっぱり今回の目玉はこれでしょう。
「ひまわり」1888年
ゴッホは何枚もひまわりの絵を描いていますが、このナショナルギャラリーの「ひまわり」は、共同生活を始めたゴーギャンも絶賛した作品でした。背景も含めていくつもの黄色を使ったひまわりの絵は、明るさに満ちて輝きを放っています。
この後、ゴーギャンが黄色い家を出て行って、絶望の中で精神病院へ入院するゴッホの人生。彼が一番輝いていた頃の「ひまわり」を眩しく眺めました。
いつもなら、たくさんの美術展チラシが並んでいる棚がからっぽで…とっても寂しく感じました。
国立西洋美術館は、この後から2022年春まで館内施設整備のため全館休館となりました。
寂しいけど、2022年春の新装オープンを楽しみに待つことにしましょう(^^)
「画家が見たこども展」
ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン
2020年6月9日〜9月22日
(当初予定されていた会期 2月5日〜6月7日)
三菱一号館美術館では、ナビ派の美術展を今までも良く開催してますが、今回もナビ派です。
ナビ派とは、印象派に続く前衛的な芸術を製作したグループの名前。ナビ派のナビとは、ヘブライ語で預言者を意味しています。
日本の浮世絵の影響を強く受けて、印象派よりもさらに平面的に絵を描きました。
画家から見た子どもの絵を集めた美術展です。
「赤いエプロンドレスを着た子ども」
荒い点描画のような描き方で、花畑の前を歩く女の子が描かれています。スタンプを押したような大きな赤い筆跡で表された女の子のエプロンドレス。風になびくエプロンの下から白いスカートが見えます。子どもを見つめる優しい画家の目が感じられます。
「The UKIYO-E 2020」
日本三大浮世絵コレクション
2020年7月23日〜9月22日
日本三大浮世絵コレクションってなんでぇい?(江戸っ子口調で語りま〜す)
東京原宿の太田記念美術館、長野県松本市の日本浮世絵博物館、そして平木浮世絵財団のコレクションを日本三大浮世絵コレクションっていうらしいですぜぃ。
その三大浮世絵コレクションから約450点の浮世絵版画の逸品を一堂に展示するなんざぁ、驚いた美術展だねぇ〜
初期浮世絵の墨摺絵から極彩色の錦絵、さらに西洋画の影響を受けた風景画などなど、とにかく展示作品が膨大で、はっきり言って全部は見れなかったんでぃ、ちくしょーめ。
だから、家でゆっくり見ようと思って、禁断の図録を買っちまった。
こんなに分厚くて、本棚が泣くぜぃ。
鈴木春信
「見立芥川」
錦絵誕生の頃はやっぱり鈴木春信のほっそり美人の浮世絵がたまらねーや。
これは「伊勢物語」第六段「芥川」の話を、当世風の男女の姿で見立た絵だってよぉ。
「芥川」っつーのはよぉ
恋焦がれた高貴な身分のお姫様を、ついにさらってきた男ありけり。女を背負って逃げる途中、芥川という川に差し掛かったとき、背中の女が草に光る夜露を見て「あれは何か」って聞くけど、男は答えずにひたすら走る。やっとの思いであばら屋にたどり着き、女を押し込めて夜を明かすが、女は鬼に食べられてしまった。
っつー話だってよぉ。女が夜露も見たことがない、超お嬢様だったっつー話らしいぜぃ。
江戸末期の浮世絵は、歌川国芳の絵が面白れぇなぁ。
「里すゞめねぐらの仮宿」
遊郭に通い慣れた人のことを「里雀」って呼ぶらしいぜ。お前さん、知ってたかぃ?
この絵はよぉ、遊郭の客だけじゃなく、遊女も、かごかきも、みんな雀になっちまってるぜぃ。当時は天保の改革で、遊女を描くことは禁止されてたっつーから驚きだ。国芳は、全員を雀に置き換えて描くことで規制の網をくぐり抜けたっつーことらしいぜ。見上げたもんだよ、国芳っつぁん。
そういえばこの美術展では、いつももらえる出品目録が置いてなかったんだぜぃ。スタッフの人に聞いてみたら「今回は作っていないので、サイトからダウンロードしてください」ときたもんだ。だから思わず分厚い図録を買っちまったんだった。
あいたたた〜(>_<)
こいつぁ〜一本取られたぜぃ。
「桃山 天下人の100年」
2020年10月6日〜11月29日
室町時代末期から江戸時代初期への戦乱の世の中。西洋の文化も入ってくる激動の時代です。
屏風絵、襖絵、絵巻物、書画
茶器、刀剣、鎧
などなど
華やかなものから、わびさびを感じるものまで。
単眼鏡を持っていくのを忘れてしまい、目が悪い私は良く見えなかったことが悔やまれます。
あとから知ったのですが、岩佐又兵衛の「豊国祭礼図屏風」(17世紀 徳川美術館蔵)には、通称「たけのこおじさん」が描かれていたそうです。
見つけたかったなぁ〜(泣)
「KING & QUEEN展」
名画で読み解く英国王室物語
2020年10月10日〜2021年1月11日
久しぶりに姉を誘って一緒に行ってきました。
怖い絵シリーズの中野京子さんを展覧会ナビゲーターに迎えて、チューダー朝から現在のウィンザー朝まで、肖像画を見ながらイギリス王室の歴史を辿ります。
音声ガイドは元宝塚花組トップスターの明日海りおさん。
いいね〜
こういうの、いいね〜(o^^o)
何人も妻を取り替え、たくさんの人を処刑したヘンリー8世。バージン・クイーン、エリザベス1世。
やっぱり歴史的にはチューダー朝の頃が面白い。
今回唯一撮影OKだったのが、現女王のエリザベス2世の肖像画。在位68年だそう。
若くて美しい女王陛下。
2020年11月14日〜2021年1月24日
アーティゾン美術館
ブリヂストン美術館がリニューアルしてアーティゾン美術館に名前が変わりました。
館内はとってもおしゃれになっていました。
京都、江戸という日本の都市で発展した琳派
パリを中心に発展した西洋の印象派
「都市文化」をキーワードに日本とヨーロッパの美術を見比べていく展覧会です。
琳派というと、クリムトを代表とするウィーン分離派への影響が思い起こされますが、印象派にも影響を与えていたんですね。
アーティゾン美術館では、自分のスマホに入れたアプリを使って、自分のスマホとイヤホンで音声ガイドが楽しめます。
今のこのコロナの状況では、嬉しいサービスですね。
アーティゾン美術館所蔵の作品は撮影OKでした。
画像左列上から
モネ、モネ、モリゾ
中央列、モネ
右列上から
ミュージアムカフェも素敵でした
ラム肉のスコッチエッグ
中には半熟卵がとろーり♪
お水もこんなにおしゃれな入れ物でサービスされます
そんなに混んでいなくて、ゆっくり見れて快適でした。
2021年は、また面白そうな美術展がいろいろありそうです。
どうか、どうか
中止などにならないで、無事に開催されますように。
お願いしますm(_ _)m