日本国宝展その1

日本国宝展

東京国立博物館 2014年10月15日~12月7日

 

f:id:harupinruu:20141031161149j:plain

国宝展、行ってまいりました。

かなり見ごたえがありました。

入口すぐ近くで、法隆寺の「玉虫厨子」がドドーーンと迎えてくれます。

何度見ても圧倒されます。

玉虫の羽で装飾されていた当時は、さぞきらびやかだったことでしょう。

まわりのおじさまやおばさまは、単眼鏡を手にした方が多く

「あそこの上の人物の、少し右、少し残っているね」

などという話し声が聞こえたので、じ~~っと見てみましたが、玉虫の羽はやっぱり分かりませんでした。

 

今回は正倉院の宝物11点が特別展示されています。

正倉院宝物は国宝ではありません。

奈良・東大寺正倉院に保管されている正倉院宝物は、聖武天皇光明皇后ゆかりの品々です。もともと天皇家の持ち物だったので、宮内庁の管轄で保管されています。

そのため、文化庁が所管する「国宝」に指定されることはないからだそうです。

毎年、奈良で正倉院展が開催されています。

一度行ってみたいと思っていますが、ものすご~く混雑しているらしいので、いまだに行ったことがありません。

東京で正倉院宝物を見ることができるなんて~

嬉し~

しかも、11月3日までの期間限定展示です。

 

「鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ) 第3扇」

f:id:harupinruu:20141103175222j:plain

 聖武天皇が愛用していたと言われる「鳥毛立女屏風」の第1扇と第3扇を見ることができました。元々は6枚からなる屏風だったものと考えられていて、女性の頭髪・衣服・樹木の部分に山鳥の羽毛が貼られていたそうです。

その羽毛は今は確認できませんが、当時の美女の優雅さを感じることができます。

 

「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめらでんのそうのびわ)」

絵画ではないので、画像はありません(検索してみてね)

弦が貼られている面には、風景などが描かれています。

裏面は、細かい細工で貝殻などを貼り付けた螺鈿が美しい。

中央上部に「東大寺」という文字が見えました。

これを実際に演奏していたんだろうな~

 

 

「緑地彩絵箱(みどりじさいえのはこ)」

供物を収めて使用していたらしいです。

赤や黄色などの小花と、葉と茎のデザインがウイリアム・モリスのデザインみたいで、まったく古さを感じさせないことに驚きました。

 

≪参考≫ウイリアム・モリス「ひなぎく」1862年ごろ

f:id:harupinruu:20141103203906j:plain

 

 

お土産で買ってきました。

「緑地彩絵箱」の絵柄のポーチです。

f:id:harupinruu:20141103204218j:plain

 

聖武天皇は701年に生まれ、756年没しています。聖武天皇の死後、光明皇后天皇の冥福を祈って、聖武天皇愛用の品を東大寺の大仏に奉献したものが正倉院宝物の始まりだそうです。

約1200年も前のもの。

聖武天皇光明皇后が使っていたもの。

それと同じものが、今目の前にあることに驚きます。

しかも、とても保存状態が良いのです。

校倉造の正倉院というのが、たくさんの宝物を保存するのに適していたのでしょうね。昔の人の知恵・・・すごいですね。

 

 

 「仏涅槃図」高野山・金剛峰寺 1086年 

f:id:harupinruu:20141103175238j:plain

かなり大きな絵です。

沙羅双樹の下にて、釈迦が入滅した場面を描いています。

画面中央に横たわっているのが、お釈迦様。おだやかなお顔です。

お釈迦様の頭部近くで、見守っているかのようなのは菩薩たち。

落ち着いたお顔です。特に寝台に手をかける一番近い菩薩は、色っぽさまで感じさせるお姿です。

右上方には、釈迦の母・摩耶夫人の姿が見えます。落ち着いたお顔です。

摩耶夫人は、釈迦の生後7日目に亡くなったそうです。

画面手前側にいるのが、釈迦の弟子たちです。

弟子たちは、釈迦の死を嘆き悲しんでいます。

菩薩たちと弟子たちの表情の対比が興味深いです。

死は嘆くものではない。菩薩たちはそう言っているようでした。

 

長くなりそうなので、日本国宝展その2に続きま~す。