ルーベンス展

金曜日の夜、Bunkamuraザ・ミュージアムにて開催中の「ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」展に行って来ました。
ルーベンスといえば、17世紀初頭から18世紀初めのバロックを代表する画家です。
バロック芸術は、過剰な装飾性・劇場的な画面構成の絵画が特徴です。
「復活のキリスト」
大きなサイズで迫力があります。キリストが復活したシーンで、しっかりとした体つきが印象的です。キリストが起き上がり、今まさに画面のこちら側に現れるような(今でいう3Dみたい)、そんな感覚の絵でした。

「悔悛のマグダラのマリア
白い体をくねらせ、天を見上げるマグダラのマリア。赤く泣きはらした目からは涙があふれています。洞窟の中でしょうか。画面右側には、マグダラのマリアのアトリビュート(トレードマークの持ち物)の香油壺(ガラス製?)があります。
これは、ルーベンスの一番弟子ヴァン・ダイクの作。ヴァン・ダイクといえば、ナルシストぶりを発揮している自画像を思い出します。美しい自画像も見たかったな〜

今回、一番興味を持ったのは、アブラハム・ファン・ディーペンベークの「黙示録の女」です。
・・・・って、ルーベンスじゃないじゃん!!
小ぶりな作品ですが、油彩画なのに彫刻のように見える単色で描かれたものです。画像がないのが残念。
これは「グリサイユ」という主に灰色の濃淡だけを使う技法で描かれたもので、いわゆる「だまし絵」的なものです。

全体的には、ちょっと消化不良というか、不完全燃焼というか、少し物足りなさは否めない「ルーベンス展」でした。
油彩スケッチや版画が意外に多かったからかもしれません。