「オルセーのナビ派展」
美の預言者たち ささやきとざわめき
2017年2月14日〜5月21日
ナビ派とは
19世紀末のパリで、ゴーギャンから影響を受けて前衛的な活動を行なった若き芸術家のグループのこと。
ボナール、ヴュイヤール、ドニ、セリュジエ、ヴァロットンなど。
太く黒い輪郭線(クロワソニズム)で、平面的な画面が特徴です。
「ナビ」とは、ヘブライ語で「預言者」を意味しています。
2014年に同じく三菱一号館美術館で「ヴァロットン展」が開催されました。そのとき来日していた作品に再会できました。
ヴァロットン
「ボール」
小さい女の子が赤いボールを追いかけています。
楽しそうな主題なのに、画面からは何やら不穏な空気が感じられます。
女の子の後ろから迫る影が、覆い被さるようです。
遠くに見える二人の女性は、おしゃべりに夢中で女の子のことは気にかけてない様子。
女の子を上からの視線、二人の女性を横からの視線で描いていることが、この絵を不安にさせるのかもしれません。
ヴァロットンはたくさんの木版画作品も手がけました。
風刺的な版画作品が面白くて、2014年のヴァロットン展のときに本も買ってしまいました。
今回の木版画展示はほんのちょっとだけ。
「嘘 アンティミテI」
さて、嘘をついてるのはどっちかな?
ナビ派の画家の中で一番好きな、気になる画家
「ミューズたち」
落ち着いた色調で10人の女性(ミューズ)が描かれています。
太い輪郭線で描かれた木々、ミョーズたち。
妻マルトがモデルだそうです。
静かな暖かい絵です。
ドニは奥さんをとってもとっても愛していたようで、彼の絵の中にもたくさん登場します。
「婚約者マルト」
これはまだ結婚する前に描いたもの。
マルトへの愛がひしひしと感じられる絵でした。
柔らかいパステルで描かれたマルトの横顔。
少女のようなあどけなさが残る顔ですが聡明さも感じられます。
ドニがマルトを大切に思っていることがこの絵からも分かります。
私がモーリス・ドニのことが気になり始めたのは、ネットで見つけたある絵がきっかけでした。
《参考》
「天国」
花が咲き乱れる楽園の中、子供たちが天使と手をつないで楽しそうに戯れています。
天国って、きっとこんなところなんだろうなぁ
いつか自分が死んだら、こんなところに行きたいなぁ(きっと天国に行けるよね?!)
なんて、思った絵です。
私のツイッターの壁紙にも使っています。
2015年のこのブログの記事にも登場してました。
この「天国」もオルセー美術館所蔵なので、今回来日しなかったのが残念!
もし来てたら、たぶん絵の前からずっと動かなかったでしょう(笑)
ナビ派の絵の特徴は、「平面的」「装飾的」「日常的」「神秘的」
中世からルネサンスを経て、絵画は陰影と遠近法によって平面に立体を表現するようになりました。それがまた平面に戻っていく、絵画の歴史が興味深いです。
ナビ派は日本の浮世絵からも影響を受けたそうです。
浮世絵は平面的ですもんね。
今回のお土産
絵はがきは、塗り絵と2枚セットです。
面白い企画ですね。
楽しみながら平面的に塗ってみよう~(^^♪
(^ ^)オマケ(^ ^)
三菱一号館美術館は、建物も素敵だけど中庭も素敵です。周りにはオシャレなお店もたくさんあります。
美術館の2階から中庭を見下ろすと、ヴァロットンの絵に出てきそうな風景が・・・
ボールを追いかける女の子はいないけど。
お庭にはばらが咲いてていい香りo(^-^)o
癒されます〜〜